2013年12月28日土曜日

《ファルスタッフ》確定上映時間のご案内

1月11日(土)より公開の第4作ヴェルディ《ファルスタッフ》の上映時間が2時間59分(休憩1回、15分)に確定いたしました。

詳しいタイムスケジュールはこちらです↓

歌舞伎座 新開場記念プレミア上映《ファルスタッフ》レポート

12月26日(木)、歌舞伎座 新開場記念プレミア上映《ファルスタッフ》が、満員御礼の大盛況のなか開催されました。

夜闇に美しく浮かび上がるライトアップされた歌舞伎座の前には、18時の開場前から期待に満ちた観客の皆様の長蛇の列が出来ました。開場の時間となると、皆様、ワクワクした様子で、華やかな歌舞伎座のロビーに足を踏み入れ、思い思いに新しい歌舞伎座の場内をご覧になっていました。


歌舞伎座の檜舞台には大きなスクリーンを設置。最新の映写機材と音響機材を配置し、幕開けの準備は万全。いよいよ、上映が始まります!

2013年12月25日水曜日

《ファルスタッフ》 現地メディア評のご紹介

先日METで開幕し、大絶賛を受けている《ファルスタッフ》新演出。現地メディア評を一部ご紹介いたします!

華やかな舞台、目が釘付けになる衣装の数々、機知に富んで考え抜かれたドタバタ劇において、METの新しい《ファルスタッフ》に匹敵する舞台は、ブロードウェイにも多くはない” 
―ニューヨーク・タイムズ

と完璧な夜だろう。ヴェルディ最後の作品の新演出は、ファルスタッフが前夜の酒宴から目覚める冒頭から、次に始まる晩餐会のテーブルの上に勇ましく立ち上がる最終場面まで、何とも愉快である…マエストリは役に面白さと奇妙な威厳の両方をもたらしている。道化者として演じられやすい役に、より深い奥行きが与えられた 
―ブルームバーグ・ニュース


素晴らしいキャスト陣を率いるのは、ファルスタッフ役を完全にものにしている、イタリア出身の最強のバリトン、アンブロージョ・マエストリ。彼はファルスタッフを憎めないろくでなしに演じ、イタリア人ならではの歌いっぷりを披露した
―ニューヨーク・タイムズ

ジェイムズ・レヴァインは膨大な音が入り組んだスコアに、情熱と優しさを随所に煌めかせながら、指揮者として全てを掌握していた WQXR

キャスト陣は即興の集団劇の息もつかせぬ面白さで、舞台を創り上げた…クイックリー夫人役のステファニー・ブライズはマエストリと全く互角の馬力でスターパワーを放出していた" 
―ニューヨーク・マガジン

2013年12月20日金曜日

【ニューヨークは《ファルスタッフ》の街】 作品のみどころ

堀内 修(音楽評論家)

 これでロバート・カーセン演出の上演が、現代の《ファルスタッフ》のスタンダードになりそうだ。

 ロンドンで大好評だった舞台は、ミラノに移り、ミラノの舞台はスカラ座日本公演で、東京でも披露された。そしていよいよメトロポリタン・オペラに登場する。ジェイムズ・レヴァインの指揮で。

 一連の上演で、アンブロージョ・マエストリはファルスタッフの第一人者となったし、カーセンの演出だって、磨きがかかってゆくはずだ。ヴェルディの年のしめくくりとなるニューヨークの上演に向って、太った騎士のオペラは着実に歩みを進めてきた。
 
スカラ座日本公演で観て、これは凄いと舌を巻いたのだけれど、第1幕の第2場で、女たちがファルスタッフの恋文を点検する場面だけでも、最終的なメトロポリタン・オペラでは、どれほどの洗練度に達するのか、楽しみだ。

なるほど《ファルスタッフ》は、古き良き世界の喜劇で、カーセンにとっての古き良き世界は、1950年代のアメリカであるのが、この場面だけでもわかる。大きなレストランのテーブルに陣取ったアリーチェやメグたちのおしゃべりの、なんとリアルなことだろう。誰だって、そうそう、こんな風によくしゃべるご婦人が隣のテーブルにいて、閉口したことがあるなあ、と納得するだろう。納得して、感心する。やれやれ、と思っていたけれど、あれこそが平和で、夢のような世界の入口だったのだと気づく。

ちょっとうるさい(?)とんでもない、女たちのおしゃべりとにぎやかな笑い声に円熟の極みに達したヴェルディの、最高の技があるのを、オペラ好きならよく知っている。誇張した手紙の朗読は、大悲劇のパロディーみたいだし、女たちの笑い声がこの上ないオペラの歌唱になっているのなど、まるで魔法のよう。

このあたりで、きっとレヴァインの名人芸が存分に発揮されることだろう。大きなキッチンでくり広げられる大騒動や、終幕のちょっと豪華なパーティーも、《ファルスタッフ》が田舎で起る愉快な出来事から、洗練された都会派オペラへの変身に、一役買うはずだ。変身というより、それがヴェルディの傑作の、本当の姿ってものではないだろうか。

 オペラ史上最も洗練されたオペラの、最も都会的上演が、ニューヨークで実現する。


写真 (C) Ken Howard/Metropolitan Opera 

2013年12月16日月曜日

ヴェルディ《ファルスタッフ》視聴 12/16更新

4作 ヴェルディ《ファルスタッフ》 新演出
上映期間:111日(土)~117日(金)
指揮:ジェイムズ・レヴァイン     演出:ロバート・カーセン
出演:アンブロージョ・マエストリ(ファルスタッフ)、ステファニー・ブライズ(クイックリー夫人)、アンジェラ・ミード(アリーチェ)、リゼット・オロペーサ(ナンネッタ)、ジェニファー・ジョンソン・キャーノ(メグ・ペイジ)、パオロ・ファナーレ(フェントン)、フランコ・ヴァッサッロ(フォード)
MET上演日:20131214日   上映時間:2時間59分(休憩1回)

先行映像 第二幕 アンジェラ・ミード、アンブロージョ・マエストリ(2013年12月9日公演より)

メイキング映像 ロバート・カーセン インタビュー