東条碩夫(音楽評論家)
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| イオランタ |
しかし、今回のマリウシュ・トレリンスキの演出はこれを読み替え、溺愛する娘を自分の手許から離したくないという父親の激しいエゴが彼女を抑圧し、それがすべての問題の原因となっている、というストーリーに解釈してみせた。かくてメルヘン的な物語は一転し、父と娘の心理劇に姿を変えて立ち現れたのである。
“アンナ・ネトレプコは彼女がスターたる所以を見せつけてくれる。相手役のピョートル・ベチャワは高度な歌唱をいとも楽々とやってのける鳥肌立つテノール。後半の二人の見事な二重唱は劇場を大興奮の渦に導いた。”