2014年5月16日金曜日

最盛期のレヴァイン が彩る生き生きとした《コジ・ファン・トゥッテ》:現地メディア評

“まさに最盛期のレヴァインである:モーツァルトの奇跡のように素晴らしいスコアを、しなやかに、エネルギッシュに、かつ透明感あふれる表現で描き、キビキビと小気味よく、しかし慌ただしくならず、洗練されていて奥深い長い夜の初めから終わりまで、彼のエネルギーは衰える気配すら見せなかった。”
―――AP

これほどまでに活気に満ちて、自然で見事な舞台を見たことがない…きらめく輝きを放ち、生き生きとして快活なモーツァルトの《コジ・ファン・トゥッテ》であった。1996年のレスリー・ケーニッヒ演出によるシンプルで太陽のように明るく、魅力的な伝統的プロダクションを、最高のキャスト達がドタバタのコメディ劇団の如く演じた。

ポレンザーニはモーツァルトにふさわしい気品と優雅さで、心躍るテノールを響かせた。彼は甘い歌声ととろけるような弱音で名アリア〈愛の息吹は〉を歌い上げた。

ソプラノのスザンナ・フィリップスは今回のフィオルディリージ役で、METのスターとして開花したといえる。彼女はモーツァルト作品の軽やかなソプラノに相応しい純粋さと若々しい美しさを備えながら、染み入る歌声と深く豊かな響きで、旋律を高揚させていく。
メゾ・ソプラノのイザベル・レナードは、弾力があり包み込むように柔らかく豊かな声で、威勢の良いドラベッラを演じた姉妹の二重唱の多くのパッセージで、フィリップスとレナードは見事に正確な音程で、美しく溶け合った歌声を響かせた...洗練されて溌溂としたソプラノのダニエル・ドゥ・ニースは、世才に長けて生意気なデスピーナを好演し、本公演の主役をほぼさらっていた
―ニューヨーク・タイムズ

(c)Marty Sohl/Metropolitan Opera
(c)Koichi Miura/Metropolitan Opera