2014年3月14日金曜日

驚異の傑作《イーゴリ公》の凱旋:現地メディア評

まるで神が真理を示してくれるかのようなプロダクション チェルニアコフの演出は夢のようでありながら、痛いほど人間的で、本能に訴える舞台である。多くのロシア人歌手を含む素晴らしいキャスト陣を率いるのは、迫真の演唱で魅せる題名役のバス、イルダール・アブドラザコフ。彼が演じるイーゴリ公には、洗練されたイタリア的な抒情性がある。METデビューを飾るウクライナ出身のソプラノ、オクサナ・ディーカが演じる献身的な妻ヤロスラーヴナとのやりとりは、情熱に溢れ、彼女の愛情にすがるような気持ちさえ表現していた。彼女は冷静な、突き抜けるように鋭い声で、大胆不敵に高音を歌い、鋼のように強靭な歌声を響かせて、伝統的なロシアのソプラノを聴かせてくれた…ノセダ氏は、明瞭で精緻な指揮で、本作が持つロシア的な個性を見事に表現した。MET合唱団は、輝かしい最高の歌唱を披露した。
-ニューヨーク・タイムズ

長く上演されなかった驚異の傑作が、METのレパートリーとして相応しい場所に戻ってきた。魅力的なメロディーと強烈なコントラストが沸き立つ音楽、エキゾチックなポロヴェツ人たちのしなやかで東洋的な踊り、一方、ロシアの行軍や素朴な民謡も描きながら、メトロポリタン・オペラは、壮大なロシアの超大作を披露した。
ニューヨーク・マガジン

《イーゴリ公》の凱旋:METは、思いもよらないオペラで最高傑作を作り上げた。どの歌劇場のどの黄金期においても、宝石のような輝かしい舞台となるだろう。
ニューヨーク・オブザーバー

カリスマ的なグルジア出身のメゾソプラノ、アニータ・ラチヴェリシュヴィリは、弾力があり包み込むように豊かな歌声と、官能的な肉体の魅力で、コンチャーコヴナ役を見事に演じ上げた。
-ニューヨーク・タイムズ

“チェルニアコフは舞台セットのデザインも手掛ける、極めて才能に富んだ演出家である。素晴らしい舞台セットだった:抽象的でも中世時代でもなく、誰もが共感する普遍的な恐怖、渇望、そして絶望の世界へ観客を引き入れる。
―ブルームバーグ

(c) Cory Weaver/Metropolitan Opera