1.メトロポリタン歌劇場【MET】の印象
2.バックステージツアー
楽しみにしていたバックステージツアー。舞台のスケールの大きさに圧倒されました。常時3演目を上演するために5面の舞台をセッティングしているとの事。24時間交代制で稼働していると聞き、驚きました。その他、動物用出入り口、オーディションルーム、衣装制作、カツラ制作、大道具、小道具、リハーサルルーム、楽屋を見学しました。それぞれに興味深く、ワクワクしました。楽屋は男女に分かれていて、シャワー、トイレ、ピアノ付き、でも思ったより広くもないし、豪華な調度品などは一切なくシンプルな部屋でした。衣装は出演が決まっているスター歌手の分と、代役の歌手の分をそれぞれ製作しておくと聞き、驚きました。吊るされている衣装のサイズの大きさにもビックリ!、やっぱりデカい・・・。
3.《コジ・ファン・トゥッテ》の感想
モーツァルトのオペラはなんとも言えない魅力にあふれていると、観るたびにいつも感じるのです。
男であれ、女であれ、人間らしい、その本質をそんな素敵なメロディで聞いちゃったら認めたくなくたって、受け入れちゃうじゃない・・・そんな感じです。美しい姉妹の2重唱は心地よくてとても良かったです。それから、なんといっても指揮者のJ・レヴァイン、始まる前に満面の笑顔で客席のほうを向いたときにうわ~っと歓声があがって、その愛され具合がこのMETにおいて唯一無二の存在なのだなぁと感じました。序曲から、楽しくって、楽しくってしょうがないって感じでこちらもウキウキしてきちゃいました。最高のお席で2公演も鑑賞できたことは一生の思い出になると思います。ありがとうございました!!
4.《ラ・チェネレントラ》の感想
J・ディドナートが、素晴らしかったです。そもそもが、この懸賞に応募しようと思ったきっかけが昨年のMETライブビューイングで《マリア・ストゥアルダ》を観て、J・ディドナートの迫力というか、表現力にただ、ただ、圧倒されて号泣し、どうしても彼女の歌を劇場できいてみたい!とおもったからなのです。指揮者のF・ルイージは大ファンですのでと~っても嬉しかったです。センターの前方でしたから、指揮する姿やその表情までもよく見えて感動でした。
5.「METライブビューイング」ならではの魅力
METライブビューイング」ならではの魅力はやはり幕間に放映される、インタビューだと思います。歌手たちそれぞれがどんな想いで、イメージで、意気込みで、歌っているのか?演出について、指揮について、興味深いお話が多いです。
6.その他印象に残ったエピソード
今回のツアーでのエピソードではないですが、私とオペラについて、今日、この時の気持ちをかきたいと思います。懸賞ではあったものの、このキャンペーンを知ったときにこの旅に出るつもりでいました。まったくずうずうしい話ですが、なんとしても行きたいと思いました。譜面も読めない、ピアノも弾けない私がなぜ、オペラにはまってしまったのかと、考えることがありますが一言でいうならば、最も人間らしい総合芸術だからなんでしょうね。時に、笑い、涙し、望み、願う。大切な人への想いや、激しい怒り、深い悲しみ、恋の始まりのピュアな感情を、歌手たちが研鑽された技術に重ねてそれぞれの感性で表現して歌う。そこに、周波数があってしまったのだと思います。だからこそ、私の心を捉えてはなさない。このタイミングでオペラの素晴らしさにふれることができた事はとても幸せでラッキーな事だったのだと思うのです。そう考えると、映像とはいえ一般的に敷居が高いとされるオペラに出会う機会を広くするMETライブビューイングは続けて頂きたいと思います。