冒頭、METのピーター・ゲルブ総裁から届けられた、歌舞伎座でご覧のお客様への“スペシャル・ビデオメッセージ”が上映されました。「グランドオペラのように壮麗な歌舞伎が上演される、歌舞伎座という名劇場での上映は、歌手たちにとっても格別な歓びです。輝かしい伝統をもち、多くのファンに支えられるオペラと歌舞伎という姉妹芸術で、満たされた新年を!」と、日本語も交えての心のこもったメッセージに客席からも拍手が起こりました。
《ファルスタッフ》が開幕すると、豪華なやセットや衣装、R・カーセンのウィットに富んだ見事な新演出、題名役のA・マエストリをはじめキャスト陣の絶妙な演唱、そして2年ぶりに復帰したJ・レヴァインの作品への情熱と愛情に満ちた完璧な指揮とが三位一体となり、現地METの会場同様に、歌舞伎座という劇場空間が笑い声と拍手で包まれました。
実際に、終映後、劇場をあとにする観客の皆様の笑顔が本当に幸せそうだったのが印象的でした。
和の伝統を誇る歌舞伎座が、まさに”オペラハウス”となった一夜でした。
ご来場くださいました皆様、誠にありがとうございました。